予防歯科

予防歯科は歯科医療の根本です!

予防歯科イメージ 「白く輝く歯」は、小さなお子様からお年寄りまで、どなたにとってもかけがえのない大切な財産です。自分の体の一部である天然の歯は、生きた神経・血管・細胞が繋がり張り巡らされている臓器の一つです。したがいまして、歯の長持ち度や見た目の自然感、食事のしやすさ・噛み締めた感覚(歯触り)、安定感など、自分の生きた歯に勝るものはなく、人工物(さし歯や入れ歯)とは比較になりません。出来れば一生大切にしたいものなのですが、残念ながら、歯の寿命の方が圧倒的に短いのが現状です。失った歯・削られた歯は、治療によって人工物で形や働きを修復・回復させることはできますが、残念ながら元の状態に戻ることはありません。このような性質をもった臓器である歯を、なるべく長持ちさせるためのポイントをお話しいたします。

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あなたの大切な歯を長持ちさせるための原則(1)

★歯を削らなくて済むような状態を維持する(虫歯予防)
★歯槽骨が下がる程の歯周病に罹らないような状態を維持する(歯周病予防)
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 すなわち、病気を未然に「予防」をすることが最も大切なことなのです。そのためには、 (1)毎日のホームケア (2)定期検診とプロフェッショナルケアによるメンテナンス この両方が重要です。

お口の健康で大切なことは…

1. バランスの良い食事をとる
 人間の歯は、カルシウム・リンなどのミネラルと少量のタンパク質でできています。強い歯をつくるためには欠かせない栄養素ですので、このようなミネラル分を多く含んだ食品(小魚類、レバー、牛乳、海藻類、大豆、野菜、卵、果物など)を積極的に摂るように心掛けてください。また、子どもの歯は、お母さんのおなかの中にいるときから作られ始めています。したがいまして、虫歯になりにくい強い歯をつくるためには、妊娠中のお母さんの栄養状態も大変重要になります。
2. 良く咬んで食事をとる
 健康で丈夫な歯をつくるためには、良く咬んで食べることも重要です。固いものを無理やり咬むことは逆効果になりますが、適度な硬さのものをじっくりと何回もかみしめて食事をとることは、歯を健康に保つために必要なことです。その理由は、 @ 歯を支えている組織の細胞に適度な刺激を与えることにより、組織を活発化する A 唾液の分泌を促し、歯の再石灰化を促進する さらに、食後にキシリトールやリン酸オリゴ糖カルシウム(POS-Ca)などが入ったシュガーレスガムを咬むと、その成分の働きと唾液の分泌促進の効果で、虫歯予防の一助となります。 また、食べ物を良く咬んで食べれば、胃や腸などの消化器官の負担がそれだけ軽くなりますので、全身の健康へとつながります。食事は、栄養のバランスの良い適度な硬さの食べ物を、良く咬んで食べましょう!
3. 食事を摂るタイミングを規則正しくする
 食事をとると、「歯の表面は酸性になり、しばらくすると中性に戻る」という現象が毎回起こります。このとき、歯では「脱灰―再石灰化(下図参照)」という変化が常に繰り返され、通常はこれがある幅をもってバランスが保たれているために虫歯になりませんが、「脱灰」する時間が長かったり、頻度が多かったりすると、再石灰化が間に合わずに歯が溶けてしまい、それが穴となり虫歯になってしまうのです。脱灰-再石灰化(ステファンカーブ)「不規則な食事」や「食事・間食の頻回」は、「脱灰」の時間を延長する大きな要因です。したがいまして、歯が「再石灰化」する時間が十分もてるように、規則正しいタイミングで食事をとることを心がけましょう!また、砂糖が多く含まれるもので、歯の表面に長時間とどまってしまうもの(アメ、キャラメル、グミなど)は、同様の理由で歯の「脱灰」時間が長くなりますので虫歯になる危険性が非常に高いです。注意しましょう!
4. 糖分摂取を控えめにする
 虫歯の原因は、虫歯菌の作る酸が歯を溶かすからなのですが、その虫歯菌を繁殖させ酸を作らせる養分となるのが糖分です。代表的な糖分は、砂糖(ショ糖)や果糖、ブドウ糖などがあります。したがいまして、糖分の含まれる食べ物・飲み物をとる回数が少なければ、虫歯になるリスクがそれだけ低くなります。とくに、間食で食べるおやつ(甘いもの)は、前述の歯の脱灰時間の延長も引き起こすので、間食ではタイミングと内容に工夫すると歯を守りやすくなります。
5. 正しい歯みがきを励行する
 虫歯菌をお口の中から減らすためには、やはり歯みがきが最も一般的な方法です。食事後には虫歯菌のすみかになるプラーク(歯垢)が歯に貯まります。このプラークは、時間がたつと歯ブラシでは落ちない汚れや歯石になりますので、できるだけ毎食後にブラッシングをしましょう。また、睡眠中は唾液の分泌が低下するために虫歯にかかりやすいので、就寝前には入念にブラッシングをしてください。
予防歯科イメージ  ところで、歯の形や歯ならびには様々なタイプがあります。ブラッシングがしやすいタイプのお口もあれば、しにくいタイプのお口もあるのです。例えば、奥歯の歯の溝が入り組んだ形をしていたり、凸凹の激しい歯ならびの方は、毎日のブラッシングにも限界があります。また、人によっては、歯みがきにかかわる色々な癖もありますので、どうしても清掃不良になる場所が出てきてしまうのです。一般的にみても、自分の手で自分のお口の中を365日隅々まで掃除するのは、多くの方にとって難しいものなのです。
 そこで大切なのがプロの手によるプロフェッショナルケアなのです。定期的にプロの手でチェックとクリーニングを受けることで、病気を未然に防ぎやすくなります。また、クリーニングでつるつるピカピカにした歯の表面は、単にきれいなだけではなく、汚れがつきにくくなりますので、ホームケアのしやすいお口に変えることができるのです。そして、何といってもお口の中がサッパリとして「気持ちイイ!!」とおっしゃってくれる方もとても多いのです。どうぞ、「キレイに」そして「気持ちよく」なるために、プロのクリーニングを受けてみませんか?
 さらに、お子様で奥歯の溝の形が複雑に入り組んでいる場合には、必要に応じて予防処置の一つである「シーラント」を適用して、虫歯になるリスクを下げることがあります。また、矯正治療で歯ならびを整えて、ブラッシングのしやすい(お手入れのしやすい)お口にすることも大変有意義だと思います。矯正治療についてはこちら
6. フッ素を利用する
 虫歯予防に大変有効なのが、フッ素を利用することです。フッ素が歯の表面に触れると、取り込まれて歯の結晶の一部になります。フッ素が取り込まれた結晶は普通の歯の結晶と比べて強く、虫歯菌が出す酸に溶けにくくなります。さらに、フッ素は前述の再石灰化を促進する力も持っています。虫歯予防に大変有効なフッ素を、ホームケアとプロケアの両方でぜひ活用しましょう!
 また、歯は生えはじめてから1年くらいまでが最も虫歯にかかりやすい(つまり歯が未成熟な状態)のですが、同時に、フッ素はこの時期が最も取り込まれやすいのです。したがいまして、老若男女に有効なフッ素ではありますが、特に乳歯が生え始めて(生後6カ月〜1才くらい)から、永久歯に代わりその歯が成熟するまで(中学生)の時期のお子様には、ぜひフッ素をご使用いただきたいです。
 フッ素にはいろいろなものがあります。どのようなものをどんな方法で利用するのかは、年齢やお口の環境など、その方それぞれで違ってきますので、大切な歯を守るために、ぜひ当院へご来院ください!

その人によって病気のかかりやすさ(リスク)は違います

 虫歯や歯周病になる危険性(リスク)はその人によってそれぞれ違います。例えば、「自分は虫歯になりにくいんだよねー」という方や、「よく歯を磨いているのだけど虫歯になりやすいので悩んでいる」という方など、さまざまいらっしゃるかと思います。予防を効果的に行うためには、その人それぞれのリスクを把握することが大切となります。
 虫歯や歯周病は、感染症と生活習慣病の両側面が混在しています。したがって、一概にリスクと言いましても、さまざまな要因が考えられるのです。その多要因を総合的に判断することが重要となります。
 例えば、毎食必ず歯を磨いている人であっても、体質的に虫歯になりやすかったり、また食生活に何か問題がある時には、虫歯のリスクは高くなってしまいます。その人それぞれに合った予防があるのです。私たちに、健康をお守りするお手伝いをさせて頂けませんか?

メンテナンスの重要性

 私たちのお口の中は、想像以上に過酷な環境なのをご存知でしょうか?100℃近いアツアツの食べ物を食べたと思ったら、0℃前後の冷たい氷水やアイスなども口にします。アルカリ性のものも酸性のものも容赦なくお口に入れます。また、お口の中には300から400種類の細菌が何と数千億個もいるのです。(この細菌が、虫歯や歯周病のみならず、肺炎・心臓疾患・脳血管系の疾患・糖尿病などの全身疾患と関連することも知られてきています)さらに、食事中やスポーツ時、また睡眠時の歯ぎしりなどで、非常に強い物理的な力にも歯や歯茎はさらされるのです。このような過酷な環境下ですから、歯や歯茎は傷んでしまい、また治療で入れた人工物は劣化してしまうのです。歯や歯茎は毎日大変だと思いませんか?
 以上のことを考えると、お口の中で働いている歯や歯茎は、過酷な環境で酷使されている道具であるという見方もできます。こんな臓器は、ほかにちょっと考えられません。一般的に、酷使する道具をキレイに長持ちさせるには、@使い方に注意する、Aお手入れをこまめにする、この二点が重要ですよね。メンテナンスフリーの道具なんて、滅多にないと思います。
 例えば自動車を例に考えると、定期的に点検に出して、こまめに洗車すれば、きれいで状態のいい愛車に長く乗れますよね。大きなトラブルや事故なんかも未然に防げる確率は上がります。逆に、汚れたまま放置してしまうと、いざキレイにしたいときにかなりの労力が必要になりますし、点検をしなければ、ユーザーが普段目にできない機械部分の故障に気付かずに、突然のトラブルに見舞われることもあるでしょう。
 このように、大切な道具を長くキレイに使うためには、点検とメンテナンスが大切であることがお分かり頂けましたでしょうか? 毎日コツコツと働き続けるお口を、どうか定期的にいたわってあげてください。

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あなたの大切な歯を長持ちさせるための原則(2)

★虫歯は早期に発見し、なるべく歯を小さく削って治せるような治療を選択する
★歯周病はなるべく初期に治療を受ける
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 そうです。早期発見・早期治療が重要となるのです。さらに、治療においてはMI治療(最小限の治療)を第一に、なるべく歯を削る量が少なくなるような治療、歯の神経をなるべく取らずに済むような処置、歯を抜かずに済むような治療など、組織の損傷が少ない治療を選択することが大切です。当院はもちろんこのようなコンセプトで治療をしております。
 病気を早期に発見するためには、やはり定期的な検診とメンテナンスが必要となります。歯医者さんといえば、「痛くなったら行くところ」という認識がまだまだ大きいと思いますが、「痛み」を自覚したときには、病気は進んでしまっていることになります。病気が進行していると、それだけ身体的にも、時間的にも、そして金銭的にもより大きな治療が必要となってしまいますので、ぜひ痛くならないうちにご来院くださることをお勧めいたします。

なぜ予防?削って詰めればいいんじゃないの?

 そうお考えになる方も当然いらっしゃるでしょう。しかし冒頭に述べたように、虫歯も歯周病も、初期の場合を除いて基本的に元の状態に戻る・戻すことはできないのです。そこで人工物を用いて回復させるわけですが、これは残念ながら永久に持つものではないのです。時代とともに医療技術や材料は進歩していますが、それでもやはり月日の流れとともに劣化します。特に、歯と人工物をくっつける接着剤が弱ってくることが多いです。そうすると、その隙間から細菌が侵入して見えない場所で虫歯を作ったり、詰め物・被せものが外れてしまうのです。
 したがって、歯を削って詰めた時から、その歯の寿命が決まってしまうことになります。また、歯の神経を抜くと、歯はさらに弱くなり、寿命が短縮してしまうということはよく言われることです。いかに神経を抜かずに保てるかが、歯の寿命を延ばすためには重要なことなのです。
 また、正しいお手入れや定期点検によって、歯や歯茎、そして詰め物・被せものは長持ちさせることができます。そうです、歯や歯茎が治療を必要としない状態に保つこと、治療を要した歯をなるべく長持ちさせること、この両方が重要なのです!

詰めもの、被せものはどのくらい持つ?

シミュレーション図 過去に、詰めもの・被せものの平均使用年数を調査した先生がいらっしゃいます。その結果をみると、@詰めものは5年前後、A被せものは7、8年程度、なんだそうです。(これは、人によってかなりのばらつきがあります)このデータを用いると、治療を要した歯の一生は、次のようにシミュレーションできます。
 例えば、もしも六才臼歯が6才で虫歯になってしまったら、「5+5+5+8+8+8=39」となり、40年後の46歳には歯を失うことも起こりうるのです。(あくまでシミュレーション上のお話です)

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いかがですか? 予防や点検の大切さが少しでも伝われば幸いです。
今や、むし歯や歯周病は「治すもの」から「防ぐもの」へと認識がシフトしてきているのです。皆様の健康を守るために、ぜひ当院をご活用下さい!

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